No.5 真宗大谷派で主に使われる伽陀

 

 

伽陀とは、gāthāガーターの音訳、意味は偈頌。仏の讃嘆歌等として用いられる

 


 

( )は直前の語や文章の説明、[ ]によって内容が理解できるよう補足した

 

大経伽陀 善導大師の「法事讃」

 

先請彌陀入道場 不違弘願應時迎 觀音勢至塵沙衆 從佛乘華來入會

 

まず、阿弥陀様に請じたてまつる。道場に入りたまへ。弘願(大経四十八願)に違せず(四十八願どおりに)、時に応じて迎へたまへ(臨終時にお迎えください、臨終来迎)。

観音菩薩、勢至菩薩、塵沙の衆(極楽にいる多くの聖者)よ、仏に従って華に乗じて来りて会に入りたまへ。

 


 

観経伽陀 善導大師の「般舟讃」

 

瓔珞經中説漸教 萬劫修功證不退 觀經弥陀經等説 即是頓教菩提藏

 

瓔珞経(『菩薩瓔珞本業』、聖道門の経典)の中では、漸教(簡単な教えから始まり高度な教え)を説く。

万劫の間(途方も無い時間)、功徳を修して、不退転(その状態から退くことはないが、悟りに至る途中の状態)を獲得する。                             ←自力

[その一方]観経や阿弥陀経等(無量寿経も含む浄土門の経典)は、即ち頓教(直ちに解脱できる教え)を説き、菩提藏(悟りに至る教え)なのである。                ←他力

 

※ この伽陀が観経伽陀とされるのは、観経の中で阿弥陀仏に拝見する手段として、観仏(自力)と念仏(他力)の二種類の手段が説かれているからだと思われる


 

小経伽陀 法照禅師の「五会法事讃」

 

萬行之中爲急要 迅速無過浄土門 不但本師金口説 十方諸佛共傳

 

万行(全ての修行)の中で、[念仏は]急(即座であること)を要(かなめ)とする

[念仏による往生は]迅速にして、浄土門を超える[教え]は無い。

本師(釈迦仏)の金口(説法)だけが[念仏による即得往生を]説いているのではない。

十方の諸仏も共に伝え証しているのである(小経六方段に相当)。

 


登高座伽陀 龍樹菩薩の「十二礼」の初句。ちなみに、最後の句が回向の「我説彼尊功徳事

 

稽首天人所恭敬 阿陀仙兩足尊 在彼微妙安樂國 無量子衆囲繞

 

天人や人に恭敬せられたる、両足尊(二足歩行の者で最も尊いという仏の尊称の一つ。他に無足、多足あり、二足が最高位)なる阿弥陀仙(仏)に稽首します。

[阿弥陀仏は]彼の素晴らしい安楽国(極楽)にましまして、数えきれない仏弟子達に取り囲まれています。

 


 

下高座伽陀 善導大師の「法事讃」

 

直入彌陀大會中 見佛荘嚴無數億 三明六通皆具足 憶我閻浮同行人

 

[念仏によって]直ちに、阿弥陀仏の大いなる会(極楽)の中に入る

仏の荘厳(容貌や特性の素晴らしさ、三十二相八十種好)が数えきれないことを見る

[仏は]三明六通(宿命通・天眼通・漏尽通で三明、それに神足通・天耳通・他心通を加えて六通)を完全に備えて、

我が閻浮(娑婆世界)の同行人(念仏者)を憶念する。

 

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