No.6
真宗大谷派で使われる三種の回向
①
願以此功徳 平等施一切 同発菩提心 往生安楽国
願はくは、この(経文の)功徳をもって、平等に一切[衆生]に施して、[一切衆生と]同じく、菩提心を発して、[一切衆生とともに]安楽国(極楽)に往生せん
善導大師の『観無量寿経疏』の中の「勧衆偈」(大谷声明集所収)最後の句
②
世尊我一心 帰命尽十方 無碍光如来 願生安楽国
世尊(釈迦仏)よ、我、一心に尽十方無碍光如来(阿弥陀仏)に帰命して、安楽国(極楽)に生まれんと願う
天親菩薩の『浄土論』の中の「願生偈」(大谷声明集所収)最初の句
③
我説彼尊功徳事 衆善無辺如海水 所獲善根清浄者 迴施衆生生彼国
我、彼の尊(阿弥陀仏)の功徳の事を説くに、衆善は無辺にして海水の如し
獲られる所の善根、清浄なれば、衆生に回施して彼の国(極楽)に生ぜしめん
龍樹菩薩の『十二礼』最後の句
尊者、如来、仏といった尊称は、釈迦仏か阿弥陀仏のどちらかを指す。
教主の場合、釈迦仏。救主の場合、阿弥陀仏。
「勧衆偈」(大谷声明集所収)を読む場合、回向に願以此功徳を使うと重複するので、回向は我説彼尊が使われる(葬儀・中陰 勤行集)
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